映画

本作こそ最高の着地点!『トイ・ストーリー4』

評価と感想


本作こそ最高の着地点!

評価:5 out of 5 stars (5 / 5)

前売券販売数が歴代最高記録の「アベンジャーズ エンドゲーム」を超えた本作。失礼ながら「さすがに過去作品の感動を超えてくることはないだろう」と全く期待せずに観に行きましたが、上映中に何回も号泣してしまいました。さすがピクサー!今まで観た映画の中でかなり上位に食い込む作品になりました!

今までは『トイ・ストーリー3』で物語は完結したと思っていましたが、『トイ・ストーリー4』こそ最高の着地点。寂しいけれども個人的にはもうこれ以上続編を作って欲しくないなと思っています。

考察


なぜ4作目を作る必要があったのか?

『トイ・ストーリー4』の監督を務めたジョシュ・クーリー自身、最初は「トイ・ストーリーに続編は必要ないのではないか?」と疑問を持っていたようです。数ある作品の中でも、ピクサーが最も大切にしている『トイ・ストーリー』。語るべき物語がなければ、続編を作るはずがありません。

では4作目で語るべき物語は何なのでしょうか?

学校を卒業した時。子どもが家を離れた時。長年勤めていた会社を退職した時。大切な人と離別した時。人は誰しも一つの役目を終えて、次の自分へと生まれ変わります。本作は今まで「アンディのおもちゃ」として存在していたウッディが「次なる自分を探す物語」なのです。

なぜ『トイ・ストーリー3』でボー・ピープは登場しなかったのか?

https://www.pixar.com/toy-story-4

『トイ・ストーリー』・『トイ・ストーリー2』ではウッディのメンター的存在でもあった「ボー・ピープ」。ではなぜ『トイ・ストーリー3』で彼女は登場しなかったのでしょうか?

それは陶器製の彼女に激しいアクションをさせることが当時の映像技術では再現できなかったからだそう。

『トイ・ストーリー3』が公開されたのが2010年。それから約9年が経ち、さらなる進化を遂げたピクサーの映像技術のおかげで『トイ・ストーリー4』の物語を描くことができるようになったのですね。ピクサーで働くスタッフ一人ひとりの長年の努力の結晶でもある本作。とても美麗な映像にも注目です!

「フォーキー」はどのようにして生まれたのか?

https://www.pixar.com/toy-story-4

本作で新たに登場するシンプルすぎる造形のキャラクター「フォーキー」。このキャラクターデザインもピクサーによる新たな試みの一つ。

普段はラフ画を用いて数人でキャラクターを制作する過程を、今回は40人以上のデザイナーが実際に手作りして完成させたのだそう。シンプルすぎるが故に、最終的にあの愛くるしいキャラクターが誕生するまでにとても試行錯誤したみたいです。

『トイ・ストーリー4』の制作に関わるピクサーの日本人スタッフってどんな人?

感動の涙の中、本作のエンドクレジットを観ていて目に止まったのが日本人スタッフのお名前です。「こんな感動的な作品に関わっている人たちって一体どんな人なのだろう?」ととても興味が湧いたので調べてみました。

小西園子さん(ピクサー・アニメーション・スタジオ キャラクター・テーラリング・アーティスト)

7歳の時に『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』(1977年公開)を見たことをきっかけに映画製作を志し、17歳で渡米。94年にディズニー/ピクサー入社。『トイ・ストーリー』の美術やライティングなどに携わった後、キャラクター・モデリングとリギングを担当。『メリダとおそろしの森』(12年)以降はシミュレーションのテクニカル・ディレクターとして、服や髪などの動きを担当。サンフランシスコ在住。

https://www.pen-online.jp/news/culture/pixar_himitsu/1

小西園子さんは日本人として初めてピクサーに入社し、『トイ・ストーリー』以降のほぼすべてのピクサーの長編作品に携わってこられた そう。キャラクターの関節や筋肉、髪や服などを制作する「モデリング」や「リギング」、「シミュレーション」をご担当されていて、現在はテクニカル・ディレクターとしてご活躍されているようです。

原島朋幸さん(ピクサー・アニメーション・スタジオ アニメーター)

神奈川県出身。理系4年制大学を卒業後、エンジニアとして就職するが、デジタルハリウッドでCGを学ぶために2年で退職。デジタルハリウッド在学中に制作したショートフィルムがSIGGRAPHエレクトリック・シアターを含む海外のコンテストに入賞。デジタルハリウッド卒業後、セガ第12AM研究開発部(後のセガ・ロッソ)にてアーケードゲームの開発に短期間わった後にフリーランス。2001年に渡米し、2006年にアカデミー・オブ・アート・カレッジ(現アカデミー・オブ・アート大学)卒業。在学中にリズム&ヒューズ・スタジオにてインターンとして映画『ガーフィールド2』の制作にアニメーターとして携わる。その後、LAのドリームワークス・アニメーション、サンフランシスコ郊外にあるPDI/ドリームワークスを経て、2015年にピクサー・スタジオに移籍し、現職

https://cgworld.jp/regular/037-tomoyuki-harashima.html

大学卒業当初は国内の一般企業でエンジニアとして就職するも、自分の夢を諦めきれずに映像制作の専門学校でCG技術を習得。その後数々の変遷を経て、ピクサーに現職されている原島朋幸さん。現在に至るまで多大な苦労があったことだろうと察します。夢を諦めず、チャンスを掴んだ原島朋幸さん。むちゃくちゃかっこいいです。

成田裕明さん(ピクサー・アニメーション・スタジオ エフェクト・テクニカル・ディレクター)

兵庫県出身。2007年に渡米し、サンフランシスコの美術大学アカデミーオブアートユニバーシティでビジュアルエフェクトを専攻。卒業後、ロサンゼルスにあるエンターテイメント建築デザイン会社にてエフェクトアニメーターとして水や炎の演出のCGを担当。その後、ソニーピクチャーズ・イメージワークスへ移籍し、「オール・ユー・ニード・イズ・キル」、「アメージング・スパイダーマン2」等の実写映画のVFXに携わる。ディズニー長編アニメーション映画「ベイマックス」からウォルトディズニー・アニメーション・スタジオに加わり、「ズートピア」、「モアナ」などの制作に携わる。2017年にピクサー・アニメーション・スタジオに移籍し、「インクレディブル・ファミリー」に携わる。

https://cgworld.jp/news/event/1812-plusone-narita.html

「オール・ユー・ニード・イズ・キル」や「アメージング・スパイダーマン2」などの実写映画のVFXにも携わってきた成田裕明さん。中学生の頃から映画製作に携わりたいという強い夢を抱き、高校時代にアメリカに1年間留学。初めて受けたパソコンを使った授業に触発され、自主制作映画を作り始めたのが現職のきっかけのようです。

どの方々も映像技術のスペシャリスト。映像の細部に注目して本作を鑑賞してみると、また新しい発見があって面白そうですね。

さいごに


いかがでしたでしょうか?本作を観てない人は早く劇場へ足を運んで欲しいです!私はあと二回は観に行こうと思います!